マクドナルド・コーヒー事件
ある意味世界で一番有名なアメリカの裁判事例で、
とんでも判決として、アメリカの裁判史上いまだに伝説となっているこの事件です。
内容としては、
マクドナルド・コーヒー事件(マクドナルド・コーヒーじけん)は、アメリカ合衆国ニューメキシコ州のマクドナルドで起きた事故と、その事故をめぐる裁判のことである。
1992年2月、ニューメキシコ州アルバカーキのマクドナルドで、ステラ・リーベック(Stella Liebeck、1912年 - 2004年8月4日、当時79歳)とその孫がドライブ・スルーでテイクアウト用の朝食を購入した。ステラはその後、マクドナルドの駐車場で停車しているときにコーヒーを膝の間に挟み、ミルクとシュガーを入れるためにコーヒーの蓋を開けようとした。そのとき、誤ってカップが傾いてしまい、コーヒーがすべてステラの膝にこぼれた。
コーヒーはステラが着用していた服に染み込み、ステラはコーヒーの熱さに叫び声をあげた。運転していた孫は、最初はただコーヒーをこぼしただけと思っていたが、徐々にただ事ではないことに気付き、服を脱がせるなどの処置をして近くの病院へ向かった。最寄の病院は満杯であったが、その次の病院は空いていたためステラは収容され、第3度の火傷であると診察された。
ステラは、火傷の直接的な原因が自分の行動にあることは認識していた。しかし、火傷の一因となったコーヒーの熱さは異常であり、この点についてマクドナルドは是正すべき義務があり、また治療費の一部を補償するべきであるとして訴訟を起こした。
陪審員による評議の結果、次の理由でリーベックに20%、マクドナルドに80%の過失があるとした。
訴訟と同様の苦情が過去10年間に700件あったこと
マクドナルドのコーヒーが客に提供される際の温度は華氏180~190度(摂氏約85度)だが、家庭用コーヒーメーカーのコーヒーは華氏158~168度(摂氏約72度)であったこと
コーヒーを渡す際、マクドナルドはなんら注意をせず、またカップの注意書きも見難いこと
その上で、填補賠償認定額20万ドルの80%にあたる16万ドルを本来の填補賠償額として、またマクドナルドのコーヒー売上高の2日間分に相当する270万ドルを懲罰的損害賠償額として、それぞれ支払いを命じる評決が下された。日本でこの事件は「コーヒーをこぼしただけで、裁判で3億円(16万ドル+270万ドルの当時の為替レートによる円換算額)もの賠償金を得た」と、訴訟大国アメリカを象徴するものとしてテレビ番組などで取り上げられた。
しかし、判事のスコットは評決後の手続で懲罰賠償額を「填補賠償額の3倍」に当たる48万ドルに減額を命じ、最終的にはマクドナルドが合計64万ドルの賠償金支払いを命じる判決が下された。その後、和解が成立し、マクドナルドは60万ドル未満(非公開)の和解金をステラに支払った。
実際は、ステラには皮膚移植手術を含む7日間の入院と、その後2年間の通院が必要であり、娘はそのため仕事を辞めて介護にあたった。そして、治療費は1万1千ドルにも上り、治療が終わっても火傷は完全には癒えず、その痕が残った。また、マクドナルドは裁判中に「10年間で700件というのは0に等しい」と発言するなど、裁判において陪審員の心証を損ねた。
10年間に販売するコーヒーの数は、1日の売上が135万ドルという認定が正しいとすれば25億を超えるため、リスクマネジメントから考えれば25億分の700は0に等しいというのはあながち間違いではない。その上、他のコーヒーの温度に関する訴訟において「コーヒーの温度が高いほどドライブ中の保持温度が高くなり、ドライブ・スルーの本来の意義から言えば、温度が高い場合の利点が大きい」という結論も出ている。
なお、当初のステラの要求は、治療費1万1千ドルに対する3万ドルだった。これに対して、マクドナルドは800ドルの支払いを申し出たが、ステラはこれを断って弁護士を雇い、裁判を起こした。
この事件の後、米国マクドナルドはコーヒーカップに「HOT(熱い)! HOT! HOT!」と、またドライブ・スルーには「Coffee, tea, and hot chocolate are VERY HOT!(コーヒー、紅茶、ホットチョコレートはとても熱い)」という注意書きを、それぞれ表示するようになった。これにならい、スターバックスなどもコーヒーカップに「内容物は極めて熱いので注意すること」などと表示している。
この事件は、消費者裁判の典型例として広く知られており、飲食店が提供する飲料の温度や安全性について考えさせられるきっかけとなりました。
これがことのあらましですが、
マクドナルドの顧客対応が悪かったから大変な賠償額になってしまった的な見方もありますが、まあどう考えてもアメリカならではのとんでも判決事例ですよね。
マクドナルドの顧客対応が悪かったから大変な賠償額になってしまった的な見方もありますが、まあどう考えてもアメリカならではのとんでも判決事例ですよね。
コーヒーというものが膝にかけて楽しむ商品で、それが火傷するほど熱かったので治療費よこせ、ならわかりますが、自分で膝にかけておいて訴えるとか正気の沙汰じゃありません。
包丁で自分の指を切ったとして、よく切れる包丁を作ったのが悪い、と包丁メーカー訴えて金が取れるかと?これもそんな事件ですよね。
まともな司法の国ならまあ請求棄却で終わりでしょうけど、アメリカはとにかく裁判が金をせびるためのビジネス化してますからねえ。こんな珍事が起きてしまうんでしょうね。
こうちゃん